隠岐郡の宍道湖一周駅伝今昔物語

隠岐郡初出場!!昭和51年4月18日・第31回大会から

県立隠岐水産高校教諭 日野雅之 記

第31回宍道湖一週駅伝は、4月18日春日和の宍道湖湖畔に展開された。
隠岐より初出場の隠岐チームは前半、目を見はる活躍ぶりで8位という
結果であった。総合26チーム中14位であった。出場チームは一部(市町村対抗)
11チーム、二部(職場、クラブ対抗)10チーム、三部(高校対抗チーム)5チーム、
計26チームの参加であった。

隠岐チームのみ伴走の単車がなかったが、毎土曜日の合同練習で培った
チームワークでそのハンディを克服した。高校の部では2位の米子商業に、
職場の部では4位の美保自衛隊に次ぐ順位であったことは全員の喜びであった。
大会出場の手続き等、お世話になった隠岐体協陸上部長、前田善三郎先生、
資金面でお世話になった隠岐体協、島後教委、大会でお世話になった安田氏
隠岐水陸上部出身の梅木氏、各位には深謝致します。

10年前位、森善勝先生を団長として、資金調達に苦労しながら「若人に感激を!」と
県縦断駅伝に、二、三度、隠岐チームが出場し、6位入賞は果たせなかったが、
今回の中心選手で、県下のトップ選手に成長した奥谷、山本両君等は、
その大会での感激が、成長のきっかけであったと思います。

隠岐郡     監督 松浦梅春   36歳 印判製造業
1区 9・8k 山本 悟 25歳 島後消防署
2区 14k 奥谷成利 29歳 西郷郵便局
3区 12・3k 泉   敏夫 28歳 隠岐病院
4区 8・3k 村尾秀信 25歳 那久小学校
5区 6・4k 亀山一敏 22歳 隠岐支庁
6区 9・8k 日野雅之 29歳 隠岐水教員
7区 7・1k 池田こういち 33歳 島後消防署

レース前日の17日の午後、初出場の隠岐郡チームのために島根陸協強化部長の
千原正夫氏は、松江陸協の秋庭和幸君(西郷町出身)と二台の車で旅館に来られ、
説明を聞きながら全コース67kを見せていただくというご好意に預かり、全員、
意を強くし、作戦を練り、最後の調整を行った。

1区  午前10時30分、26チーム一斉に松江市役所前をスタート、千葉国体800m
    島根代表であった山本君は、勤務上、一日おきの練習でありながら、
    強豪をそろえた1区で、松江、仁多に次ぎ一部で堂々3位という結果で
    中継点へ飛び込んだ。

2区  起伏のある難所、最長区間、各チーム共エースを配しており、今年の
    西日本対抗駅伝で3区で区間1位となった奥谷君は好調で、トップの
    仁多の景山氏、3百米あとの松江の藤原氏、そのあと10米差で奥谷君という
    快走ぶりであった。「善戦健闘の隠岐」という山陰中央新報の記事があった。

3区  2区に続く長距離区間、泉君は初めてのビッグレースとは思えぬ力走ぶりで、
    追い上げる横田のベテラン清水氏をおさえて、7位で中継した。

4区  村尾君は足の故障で、高校時代ほどの冴えは見られなかったが、彼ならではの
    気力でカバーし、横田に抜かれたものの顔面紅潮して、簸川平野の9号線を
    8位で力走した。

5区  亀山君は先日の県職の駅伝で区間賞をとっており、快走に宍道湖畔を力走。
    高校の部で2位を走っている横田高校を20米前にして、8位を堅持した。

6区  後半のヤマ場、日野は横田高校をとらえ、7位の横田に詰め寄ったが、後半
    また水をあけられ、そのまま8位でタッチした。この区間、西郷町出身の秋庭君は
    区間1位で松江の優勝を確定させた。

7区  最終区間、玉湯町よりゴールをめざし宍道湖畔を池田君は、33歳の年齢をファイトで
    カバーし若い選手にまじっての力走、8位を堅持してゴールインした。
                昭和51年5月26日発行の、隠岐公倫から       日野雅之記